こんにちは、紗那教授です(/・ω・)/
最近部屋の模様替えをして、気分がリフレッシュいたしました。
具体的にはベッドを壁にベタ付けではなく、少し離したことで自然な寝返りが打てて、睡眠の質が向上したような気がします。
さて今回は、『雪を纏う夏草』(小束弓月様 著)の感想と紹介です。
概要

「槍の鞘」第三部 平安時代末、源平争う火種の始まりである保元の乱にて敗者となった崇徳上皇。新院と呼ばれていた彼は罪人として讃岐国に配流となる。そこでは刺客が待ち構えていた。 そんな中、真夏の草叢に季節外れの雪が降り始める。そこに「春見綾子」と名乗る年若の娘が現れ、雪の結晶を操り刺客達をあっさりと追い返すと、新院に恭しくひざまづく。 世に絶望し一度は心を閉ざした新院であったが、綾子の献身の甲斐あって徐々に心を開いていく。そして彼女は新院に写経を勧め、それを都に送るように提案する。 程なくして都から新院の下に使者が遣わされる。彼の告げた帝の意志は、新院を再び絶望の底へと追いやる。そして魔に呑まれた新院は夜叉と化し、都を襲うべく讃岐国を飛び立つ。 夜叉は帝と対峙するが、すんでのところで綾子が割って入る。綾子は力では無く愛をもって夜叉を新院の姿に戻す。 讃岐国に戻った二人は結ばれるかに見えたが、そこで待っていたのは冷酷な現実であった。 —– 作:小束弓月 デザイン:絹井けい・みかマイブーム 表紙:膝下。 裏表紙:絹井けい 挿絵:みかマイブーム・天壌 —– 試読(note.com) https://note.com/yu_koduka/m/m30cf09e2a055
小束弓月ウェブサイト Works of Yuduki Koduka (yukoduka.wixsite.com)
感想
体裁
サイズはA5で、印刷会社は(有)ねこのしっぽさん。
写真では分かりにくいですが、和風のイラストに合わせたのか、表紙の紙質も雰囲気に合ったものになっております。
イラストはとても可愛らしい画風で、和装がよく似合っていますね💖
また、本書には挿絵もあります。
キャラ紹介のページでは、主人公である春見綾子は和装のため身体的な特徴が分かりにくいですが、読み進めるとわがままボディのセクシーショットもあります。
後半では戦闘シーンが主となりますが、新院とのバトルの挿絵も迫力があって、印象に強く残りました。
感想
あらすじにもある通り、平安時代を舞台とした和風のファンタジー小説です。
個人的には和が舞台の物語では、魔法が活躍しすぎるとファンタジーであってもリアリティが無くなって幻滅してしまうことがあります。
本書はバトルの時等、要所を押さえて氷の魔法を登場させているので、好感が持てます。
読み進めて感じた第一印象としては、下調べや土台となる知識がしっかりしているということです。
あとがきを読むとよく分かるのですが、実際に舞台の写真が掲載されており、歴史が好きだということが伝わってきます。
商業小説は別かもしれませんが、同人(アマチュア)小説に関しては、やはり各々が持っている知識や好きな物事を活かした作品が輝かしいように思います。
ただし、それが過ぎて読みにくくなっている作品があるというのも事実。
しかし、本作品は時代に合った専門用語を使いつつも、日本史が不得意な自分でもスムーズに読むことができました。
崇徳天皇や後白河天皇といった人物は、一応勉強した記憶に残っていたので、それもあるかもしれません。
最近小説を読む中で気づいたのが、読みやすい作品に共通しているのは、主人公の目的が何かということが早い段階で明確になっているということです。
本書は主人公の綾子が、新院(崇徳天皇)を守るという目的が一貫してはっきりしています。
また、綾子の新院に対する想いが物語が進むごとに強くなっていく様子は、感情に訴えかけられます。
本作はシリーズの第3部ということですが、作者である小束様の仰る通り、単体で読んでも十分楽しめる物語となっています。
3部とは時代が違う、1部と2部も読んでみたくなりました。
こんな人におすすめ
・和風ファンタジーが読みたい人
・尚且つ歴史に紐づいた物語が読みたい人
・シリーズものに興味がある人
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