こんにちは、教授会代表の紗那教授です。
ようやくwordpressの操作もちょっとずつですが、慣れてきたかな。
もっと上手なブロガーさんの記事を参考にしながら、伝えたいことを分かりやすく伝えられるよう努めていきたいものです。
さて、今日は読了した同人小説『その手で』(佐倉愛斗 様著)の紹介です。
概要

死んでしまいたいほど愚かでもなく、生きながらえたいほど希望もない。死について思考し続ける少女・ナイは体育館の二階で煙草を吸っている不良少年と出会う。そして恋が始まり、何もナイ少女は何かを取り戻していく。陰鬱ラブストーリー。
引用元 その手で | 佐倉愛斗, たま子。 | Kindle本 | Kindleストア | Amazon
感想

体裁
A6(文庫本)サイズで、104頁という、気軽に手に取れる仕様となっていますね。
たま子。様の淡い画風の表紙が、本の内容とよくマッチしていて、ほんのりとした気持ちになります。
表紙の女の子は、本書のヒロインであるナイで、映っている手は彼氏のイクのものでしょうか。
感想
あらすじにもある通り、ジャンルは恋愛ですが、ヒロインであるナイの置かれている立場はなかなか辛いものです。
神戸の震災(阪神大震災でしょうか)で両親を亡くし、叔父夫婦と暮らしているのですが、叔父はまだ理解がある人にもかかわらず叔母の方はかなりアタリがキツい感じです。
また、中盤には一方的に仲良くしようとしてくる友達(?)モナが登場するのですが、ここでもナイは振り回されることになります。
実際、モナみたいな人は現実世界にも割といそうで、リアリティがあって僕自身も割と恐怖を感じました。
そんな中、体育館の二階にある秘密基地的な場所で後に愛し合う関係となる、不良少年イクとの出会いがあるのが救いです。
辛いだけの物語は個人的に苦手ですが、序盤から光が見えたので、その後も読了するまでテンポよく読み進めることができました。
最近現代を舞台とした小説を読むときは、本当に自分自身が今囲まれているものが描写されることが多いのですが、この物語では電話ボックスが出てきて「おっ」となりました。
まだ携帯電話が普及していない時代で、僕も過ごしてきた時代ですので、愛し合っていてもすぐに連絡が取れないのは辛いなーと思いました。(僕は今も昔も非モテなので遠い世界に感じます←どうでもいい)
最後に、本の締め方についてですが、これは読む人によってハッピーエンドかバッドエンドか感じ方が変わるかもしれません。
あらすじに「陰鬱」と付いているだけに、僕はまさに「陰鬱」に感じました。
こんな人におすすめ
・あまり長い時間をかけたくはないけど、中身がしっかりある恋愛小説を読みたい
・学校を舞台にした小説が読みたい
・ちょっとだけひと昔の時代の小説が読みたい
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