こんにちは、紗那教授です(/・ω・)/
今回は、『魔術革命前夜譚』(鳩の缶詰様 著)の感想と紹介です。
僕は読書に関しては専ら雑食(好きなジャンルにこだわりは無い)ですが、自著にも中世・中世風ファンタジー作品があるように、無性にファンタジー小説が読みたくなる時があります。
この本は、王道のファンタジー要素をよく踏襲している群像劇です。
本書を読んだおかげで、束の間に忘れていたファンタジーへのワクワク感が思い出されたように思います。
概要

魔力を持った貴族たちが権力を振るうフルール王国。 持つものに魔力を与える魔法石の発見により平民たちは「革命軍」を立ち上げ貴族への反逆の時を狙っている。 そんな中その戦いには一切加わらないとする中立の存在があった。 それが「平和商会」である。 平和商会に所属する雑具屋の店員クォーツは、日に日に勢いを増す革命軍と貴族軍の争いに不安を覚え、友達も加っている革命軍が気に掛かるも、店主であり平和商会会長のスフェーンは絶対に中立の立場を守ると主張する。 そこにはある理由が関係していた。 同じ頃、貴族軍の副隊長を務める青年ペリドットも、同じ国民が戦うべきなのかを悩み始める。 そんな中、ついに革命軍が動き出し……? 作者:無月彩葉 イラスト:夏樹由良 サイズ:A6 ページ数:154P
魔術革命前夜譚 | 鳩の缶詰.com (amebaownd.com)
感想
体裁
前項のあらすじにもある通り、文庫本サイズで、約150ページなので個人的には中編小説という位置づけです。
休日1日あれば十分に読み切ることができる、コンパクトサイズ。
もう少し分けて読みたいという人でも、本書は群像劇になっているので、パート毎に区切っていけばもっと気楽に読むことができます。
感想
第一印象は登場人物が多いというものでしたが、それぞれ立場の違うキャラクターの視点から物語が区切られており、読みにくいということはありませんでした。
僕もこの時代を意識した小説を書き上げた身として、登場人物はたくさん出したいけれど、無闇に出しすぎるのはデメリットしかないと思っています。
(読者はそこまで多くの人物の名前を覚えられないですし、僕みたいなあまり頭を使わないで読書する人間なら猶更です)
パートが綺麗に分かれている群像劇であれば、多少人数が多くても、読む側の処理が追いつくかなと思います。
群像劇は群像劇で、各々のキャラクターの数だけ物語を考える必要があり、それが楽しくもあり大変なところだと思います。
来年から実は僕も群像劇の形で新しい小説を出していこうかなと思っているので、本書は大変参考になりました。
一番印象に残ったキャラクターは、第二章で登場したフローライトちゃん。
平民生まれの少女でありながら、平民を憎み貴族軍にいるという、何とも斬新なキャラクター設定。
サイコパス的な言葉遣いも印象に強く残ります。
同人界隈の中でも数ある魔法ファンタジーとしては、アクション性は控えめ、その代わりヒューマンドラマに重きが置かれている印象です。
書き手としてバトル脳の自分にも、そういった要素が必要だと思っており、それを改めて感じさせてくれました。
こんな人におすすめ
・王道のファンタジー小説が読みたい人
・尚且つ群像劇で、気軽に読み進めたい人
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