こんにちは、紗那教授です(/・ω・)/
過ごしやすい気温になってきましたが、あっという間に暑くなりそうな雰囲気もします。
さて今回は、『恋愛×ゲーム』(成瀬 紫苑様 著)の感想と紹介です。
概要

恋愛未経験の女子高生が巻き込まれた、指輪を外すと始まる『恋愛ゲーム』。 ある夏の日、男女でつけると優待が受けられると話題の『永遠印』という指輪がユイの自宅に届く。「外したらダメ」等の使用条件に疑心を抱くものの、日々節制に努めているだけ優待が気になり、幼馴染のリョウヘイに協力を持ちかける。優待は本物と知り、条件に気をつけて日々を過ごすが、同じ指輪をつけていた親友ナナミが突然謎の意識障害になったことで、原因を探る為にユイは自ら条件を破る。条件を破った罰として、期間内に決められた人数の異性と両想いにならなければならない『恋愛ゲーム』に参加させられることになる。
恋愛×ゲーム | Polaris* (sion40sw.com)
感想
体裁
僕が購入したのはA5サイズ版ですが、現在頒布しているのはB6サイズ版とのことです。
僕が尊敬しているサークルのエモジモさんや鈴山理市さん同様、やはりイラストと文章の両刀で尚且つクォリティが高いのは、最強としか言いようがありません。
成瀬さんの作品といたしましては、以前『人間裏街道』の感想を記事でまとめたことがありますが、同人活動のライフハックを発信している身としてもどうやって日々の時間を管理しているのか勉強させていただきたいところです。
構成は2段組で、文字数はなんと20万字というボリューム満点!
しかしながら、詳細は後述となりますが、『人間裏街道』同様一気読みできるほど夢中になれる内容です。
正直一冊でこのボリュームなら、僕は長編小説を頒布している身ながら購入を躊躇してしまうのですが、成瀬さんの作品は文字数の多さを感じさせないほど作り込まれた世界観と構成の良さが際立っているように思います。
ちなみに印刷会社は、コスパ最強で当サークルもしばしばお世話になっている、ちょ古っ都製本さんですね。( ´∀`)人(´∀` )ナカーマ
感想
あらすじや可愛らしいイラストからは想像できなかったのですが、読み進めてみると……
「あれ? これもしかしてデスゲーム!?」
というのが、第一印象でした。
他記事でも述べたことがあるのですが、僕は基本的に特定の好きなジャンルというのはなく、それは当サークルの作品を見ていただけたらよくお分かりになるかと思います。
しかし、僕が今まで鑑賞してきた作品(映画やアニメも含む)において、途中で見るのを止めてしまった又は鑑賞後の後味が悪かった唯一のジャンルがデスゲームものです。
自己分析していくと、僕が学んできた作品創りでは「意味のないバッドエンドは避ける」というのが鉄則であり、鑑賞してきたデスゲームものがたまたまそれに該当することが多かったことが理由かもしれません。
しかし、成瀬さんの作品は、僕にはしっくり来ます。
ネタバレをするわけではありませんが、納得のいく形で物語が締めくくられますし、僕的にはハッピーエンドなのではないかと思います。
余談ですが、意味のないバッドエンドと意味のないハッピーエンドでは、後者が優勢という意味合いで大きな差があると思っています。
あ、もちろん本書のストーリーはとても作り込まれていて、「記憶」という作り手によって薬にも毒にもなる難しい要素を上手く使いこなしている印象です。
本書の特徴といたしまして、登場人物の多さが挙げられますが、これもまさに書き手によって薬になるか毒になるかという要素だと思います。
商業小説でも同人小説でも、登場人物が多いせいで整理ができず、読むのを止めてしまったことは一度や二度ではありません。
しかし、フェーズ毎に主要人物を絞っているため、混乱することはありませんでした。
物語の目的を序盤にはっきりと示していることも、スムーズに読むことができる要因だと思いました。
また、物語は「恋愛×ゲーム本編」と「罰××ゲーム城島外伝」の二本立てになっています。
主人公が変わりますが、同じ時間軸のシーンがあり、本編の主人公が外伝ではサブキャラになるという展開も一興です。
登場するキャラクターたちもリアリティがあり、ちゃんと登場する理由があるキャラばかりなので、洗練されています。
それぞれの良いところを挙げていくと、この記事だけでは書き切れないので、それは成瀬様に直接お伝えすることにいたします。
本記事を読まれている方に、サークル歴だけはそれなりに長くなってきた僕が自信を持ってお勧めできる一冊です。
こんな人におすすめ
・ストーリー展開やキャラクターが緻密に作り込まれた恋愛小説が読みたい人
・同じ時間軸を複数の視点で描いた作品が好きな人
・複数の恋愛模様を一冊で読みたい人
おまけ

こちらは4月の名古屋コミティアでお迎えした、成瀬様の漫画本『夢の国より春うらら』です✨
ゆるい義兄妹遊園地デート漫画。 テーマパークに訪れた二宮兄妹。春休みに入った三月下旬であることから、園内は制服を着た学生が多かった。スキンシップの多い二宮兄妹は、昔から恋人同士と間違われることが多く、そのたびに兄の祐介は、複雑な感情になっていた。 兄妹を超えた感情を妹に抱く祐介。それは血の繋がりがない、と彼だけ知っていたからだった。 ※「気まぐれ天気、恋予報。」に登場する二宮兄妹中心です。
漫画本「夢の国より春うらら」詳細 (sion40sw.com)
こちらも面白かったので、紹介させていただきます。
小説書けて、イラスト書けて、漫画も描けるとか本当に凄すぎる……( *´艸`)
内容としてはあらすじの通り、血の繋がっていない兄妹のお話ですが、その事実を知っているのは兄だけというものです。
物語に緊張感がある『人間裏街道』や今回紹介させていただいた『恋愛×ゲーム』に比べると、甘い生活が拝めて、幸せな気持ちになります。
と、なると気になるのはやはり血縁関係。
小説本「気まぐれ天気、恋予報。」詳細 (sion40sw.com)
こちらが本編とのことですので、イベントの時にお迎えしたいなと思っています。
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