こんにちは、紗那教授です(/・ω・)/
今晩のお供はぜひテキーラのショットにしたい。
そう思わせるきっかけとなったのが、この本。
今回は、第四回文学フリマ広島でお迎えした『イルミナ第2号』(イルミナ様 著)の感想と紹介です。
ストリップを題材にしているということで、ここからは大人の時間です。
概要

特集「広島閉館に寄せて」 5月に閉館した中国地方唯一の劇場・広島第一劇場への寄稿と座談会。 踊り子の牧瀬茜さんの寄稿も。 ・踊り子・宇佐美なつさんインタビュー ・3人の踊り子さんへのラブレター その他 硬軟織り混ぜて、ストリップの現在について語り考えます。
イルミナ [第四回文学フリマ広島・ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記] – 文学フリマWebカタログ+エントリー (bunfree.net)
感想
体裁
A5サイズでページ数が120となっております。
表紙に使われている用紙は、アクセント的にメッキになっているところがあって、お洒落な雰囲気です。
下品な感じがしないのは、なんとなくストリップに通ずるところがあるかもしれません。
後述いたしますが、2020年に公開された映画『彼女は夢で踊る』が本書の核の一つとなっているように思います。
序盤、主人公である木下青年が初めてストリップ劇場に入るわけですが、
「そこには何かいやらしいものがあると思っていた」
というセリフがあります。
勝手な深読みをしているだけかもしれませんが、イルミナ様の他作品も装丁がそこまで派手ではないのは、ストリップに対して心からリスペクトしているからなのかなとも思ったりします。
感想
第一印象としては、ストリップを全く知らない初心者に対して、解説がとても丁寧だということです。
ストリップに限った話ではありませんが、どの界隈においても、ビギナーに対して優しいか厳しいかでその世界の行方が決まるのではないかと思っています。
本書では広島第一劇場というストリップ劇場の閉館についてというのが大きなテーマの一つと見受けられ、映画『彼女は夢で踊る』の中でもストリップ劇場の社長が衰退文化であることを述べているセリフがありますが、本書からはこの文化を絶やしてはいけないという強い気概を感じます。
僕はストリップ劇場に足を運んだことは一度もありませんが、そこには先程のセリフ同様単なるいやらしいものではなく、裸だからこそ表現できる芸術があると感じました。
近年女性客が増えているというのも、なんとなくですが頷けます。
後述でも記しますが、映画に登場した矢沢ようこさんのショーは芸術的で、強く印象に残ったシーンの一つです。
同人誌でノンフィクションのジャンルは思えば久しぶりに手にしましたが、書き手たちのパワーが伝わってきますし、僕のようにストリップの世界を全く知らない人たちにとっても一読する価値のある本だと思いました。
本書の内容からは飛び越えてしまいますが、ビギナーにとって一番のハードルは実際に劇場に足を運ぶことだと思います。
まだコロナ禍ですので、大人数では難しいかもしれませんが、プチツアーと言いますか初心者ガイドツアーみたいな企画があればハードルは下がるかもしれませんね。
感想(おまけ)
ストリップを生で一度も見たことがない僕がこの記事でこれだけ文章が書けるのは、上記の通りイルミナ様のストリップを見たことがない人に対する丁寧な説明があったからです。
それに加え、紹介されていた映画『彼女は夢で踊る』を観たことが決め手となりました。
僕自身が広島生まれということもあってか、滅多に同じ映画を2回以上見ない自分が、連日でもう一度鑑賞してしまう程にインパクトのある映画でした。

本書でもこの映画について、座談会が開かれているページがありますね。
やはり映画は脚色的な部分もあるのか、中には厳しい意見も見受けられましたが、初心者目線としては入りやすかったです。
ただ、映画で感じたイメージを現実のストリッパーと結びつけるのは、やはり妄想といったところでしょうか。
主人公はストリップ劇場のオーナーですが、彼の現在(閉館直前の状況)と過去(ストリッパーに恋しストリップ劇場で働く)が交互に入れ替わっていく物語の流れが、個人的には時の流れの中に悔やみが感じられて良かったように思います。
この記事を書いている現在、AmazonやU-NEXTの動画配信サービスでレンタルできますので、気になった方はぜひ観てみてください。
こんな人におすすめ
・ストリップの世界を知らない、でもどんな世界かちょっと覗いてみたいという人
・ノンフィクションとしての広島第一劇場に興味がある人
・ストリッパーの生き方、ストリップという文化を知りたい人
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