こんにちは、教授会代表の紗那教授です。
最近ふと思いました。
同人誌の感想や紹介をする際、何も未読の作品だけにこだわらなくてもいいのではと。(こだわっているわけではない)
昔は感想を伝える場合、Twitterで直接伝えることが多かったのです。
ただ、最近はブログ記事にした方が字数制限もなく、詳細な情報も色んな閲覧者に伝えることができるかなと。
ということで、この季節にぴったりな、山城よる様の作品を読み返しました。
概要
在りし日にきみを忘れても、もう二度と別れはこない──。 人間である雪片(ゆひら)と、あやかしの冰(こおり)の穏やかな日常譚。 ∴ 夏の暑さには切なさが隠れている。 さよならの言葉がいやに響く。喪服の黒は鮮烈な色彩を持つ季節によく映え、さよならの色を一段と濃くしていた。
「花酔ひの君〈夏〉」ジャカランダ棲区@第九回文学フリマ大阪 – 文学フリマWebカタログ+エントリー (bunfree.net)
感想

体裁
新書版で、ページ数は104となっています。
印刷所は中身がちょ古っ都製本さん、カバーがプリントオンさんとなっています。
個人的に中身とカバーで印刷会社を分ける方は、入稿慣れしているベテラン感が溢れているように思います。
タイトルにも入っている通り、表紙も裏表紙も夏の花が描かれていて、涼しげな感じです。
中身もそうなのですが、夏の高温多湿なジメジメ感を打ち消してくれます。
感想
あらすじで述べられている通り、本書は人間とあやかしの交流が描かれています。
この作品も例外なく、やはり人と妖では時の流れ(寿命)が大きく違います。
妖にとって、ヒトの人生なんて一瞬で過ぎてしまう。
物語の構成、起承転結として、転から結に移る際に時が一気に流れます。
一気にお葬式のシーンに移るところで、その切なさを感じます。
本書で一番印象的なシーンなように思います。
また、しばしば料理やお酒が出される描写があるのですが、その伝え方が上手い。
作者の山城さんご本人のTwitterを拝見していると、食への愛情を感じるのですが、それが文章にもよく出ていると思います。
実際に美味しいものを食べに行くという実体験をしたからこそ、表現できる賜物なのかなと。
よく小説の書き方サイトでも、経験できることを表現するなら、無論経験した方がいいと書かれていますよね。
その方がリアリティがあるし、説得力もありますよね。
こんな人におすすめ
・人と妖の交流が読みたい人(漫画で言うと夏目友人帳が好きな人には合うと思います)
・夏の涼しい日常を読みたい人
・多彩な食の描写を読んでみたい人
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