こんにちは、サークル代表の紗那教授です。
当サークル、『オーバー・ブラッド-不老不死の夜-』という吸血鬼のバトルアクション小説があるのですが、吸血鬼小説を読むとやっぱり吸血鬼が書きたくてたまらなくなりますね。
そんな思いにさせてくれたのが、今回読了した『Et mourir de plaisir』(宮田秩早様 著)です。
概要


歴史風味から幻想小説風味、異世界ファンタジー。すみからすみまで吸血鬼小説! 下記4編のほか、べつの物語の登場人物たちが、世紀を超えて出会う、幕間、終幕の掌編含めて計6編を収録しています。 表紙イラストレーション:羽彩仁海さま 「血族」……18世紀、ヨーロッパの諸都市を旅する美しい母と子の物語 「黒い海、祈りの声」……17世紀、ドン・コサック軍に占領されたアゾフ要塞奪還戦に従軍した青年が、帰り着いた故郷でみた悪夢 「望まれざる帰還」……(異世界ファンタジー)王族としてのちからを持たず、公共工事の現場主任を務めるユマが出会った二人組にまつわる秘密の物語。 「ブカレスト、海の記憶」……現代、ルーマニアのブカレストから地中海に花嫁に旅立つ、強迫性皮膚摘み取り症の娘が、吸血鬼と出会う物語。
Et mourir de plaisir – バイロン本社 – BOOTH
感想
体裁
小説本安定のA6(文庫本)サイズですね。
印刷は僕も近年よくお世話になっている、ちょ古っ都製本工房さん。
紙は淡クリームキンマリ。安定中の安定でとても手や目に馴染みますね!
そして、ザ・吸血鬼だとハッキリわかる美しい表紙イラスト。
近年は色んな形の吸血鬼作品がありますが、僕は本来の吸血鬼の持ち味がある雰囲気が出ている作品が好きです。
この表紙を見ただけでも、十字架・銀・薔薇・狼といった吸血鬼らしい要素がしっかり感じられます。
感想
もちろん、中身もしっかり吸血鬼らしい物語となっています。
著者の宮田様ご本人も吸血鬼のことについては、Twitterを拝見したり直接お話を伺ったりしていると、とても熱心に研究されています。
やはり特定の分野に詳しいと説得力が出ますし、たとえその分野にかかわりがない人から見ても、惹きつけられるものがあります。
作品も読書も専ら雑食の僕としては、見習いたいところです。
内容はそれぞれ独立した(実は繋がりがある)6つの物語から構成されています。
ページ数も132と、一日あれば十分読了できる文量ですし、一部難しい漢字は出てくるものの文体は分かりやすく18~19世紀の時代でもすっと世界観が入ってきます。
中でも一番印象に残ったのが『黒い海、祈りの声』です。
イェテル君という兵士が主人公のお話ですが、上官の命令で女を××した結果、奇怪な運命を迎えることになるのです……。
根は悪くなさそうなので、ちょっと可哀想。
現代的に言うとブラック企業のクソ上司の命令に歯向かえず、仕方なく違法営業してしまった部下みたいな。
吸血鬼に関して僕は深いと言えるほどの知識はありませんが、またイベントで宮田様とお話してみたり、雑談として吸血鬼をテーマにした記事をアップしてみたいです。
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